いつも当ブログをご覧頂きありがとうございます。管理人のMです。今回は現役銀行員が感じる「これからの銀行」について筆者なりの考えを述べていこうと思います。なお、今回の記事における平均値等の数値は筆者が現に働く中で感じているものであり、特段根拠のあるものではないのでその点は了承頂けると幸いです。
- 1.今の銀行の現状
- 1-1.銀行同士の合併
- 1-2.ネット銀行
- 1-3.役務収益
- 1-4.低金利
- 1-5.全く新しい資金調達手段
- 2.これからの銀行
- 2-1.窓口が無くなる
- 2-2.住宅ローン、個人ローン等の個人向け融資がフルオンライン化
- 2-3.企業向け融資は従来よりも厳しくなる
- 3.筆者意見及び総括
- 3-1.筆者意見
- 3-2.総括
本記事のインデックとしては、まず初めに今の銀行の現状、2つ目にこれからの銀行、そして3つ目に総括とします。
1.今の銀行の現状
今の銀行を語る上で必要となる要素が4つあります。
それは①銀行同士の合併 ②ネット銀行 ③役務収益 ④低金利 ⑤全く新しい資金調達手段の以上5つです。順に説明していきます。
1-1.銀行同士の合併
ここ15年間で銀行同士の合併はかなり進みました。皆さんも銀行に赴くと○○銀行(○○フィナンシャルグループ、○○FG)のような社名を見かけると思料します。これはその銀行が○○FGの子会社であり、従来のような銀行単体で商いをしているわけではなく、親会社が別にあることを意味しています。FG化することには様々が理由が存在しますが、一般的には人口減少化にある日本国では銀行単体では企業体力が持たなくなるためやFG化して預貸金営業以外に手を出す(詳細は1-3.役務収益にて)ためとされています。
1-2.ネット銀行
2000年代より突然姿を現した「新たな形態の銀行」です。従来のような店舗型でなく、店舗や自前のATMがない若しくは少ない銀行をいいます。店舗管理やATM管理、人件費が少額で済むため、従来の店舗型銀行よりも預金利息が高く、手数料が安いことが多いです。また、振込も全銀システムを用いずに独自システムで振込をしており、店舗型金融機関よりも圧倒的に早く振込処理ができるようになっています。
1-3.役務収益
銀行が計上する役務収益には、投資信託の販売に関するもの、保険販売に関するもの等の従来の預貸金ビジネス以外から得る収益だと考えていただけると分かりやすいです。FG化した銀行は、銀行の窓口販売の他にも、子会社に証券会社や保険代理店を保有しています。証券会社に関してはSBIHDやTT証券、野村證券等と事業提携しているケースが多いです。
1-4.低金利
現在様々な媒体にて銀行が低金利で収益が厳しいと言われている世の中でありますが、実際どの程度下がっているのかといいますと、2006年7月の長期プライムレートが2.65%だったのに対し2019年7月は0.95%となっています。大まかに計算して3分の1程度になっています。それだけ収益が下がっていることを考えると、預貸金単体で見る銀行の収益は厳しいのかもしれませんね。
1-5.全く新しい資金調達手段
今までの企業は、スポット資金や設備資金を調達する際には、親族や銀行等から資金を借入する必要がありました。しかし、現在は従来の方法は勿論のこと、他にもクラウドファウンディング(主に開業資金調達に用いる)や2006年に改正された会社法により柔軟になったコーマシャルペーパー(主にスポット資金調達に用いる)によりわざわざ銀行に計算書類を提出して融資を受ける必要性が薄れてきています。
2.これからの銀行
これからの銀行に関しては、大きな変更点が3つあると筆者は考えます。
2-1.窓口が無くなる
これに関しては今回の記事を読んでいる方でも感じていると思います。現在窓口来店客数はここ10年間で半分以下になっていると言われています。加えて来店客の平均年齢も70歳~80歳(企業を除く)となっており、平均余命から算出すると遅くとも20年後には窓口が不要になります。
2-2.住宅ローン、個人ローン等の個人向け融資がフルオンライン化
ネット銀行の台頭により、個人顧客に関する融資はオンライン化となりました。しかし、依然として店舗型銀行は契約書締結等では店舗に来店する必要がある銀行が存在します。ローンを組むために有休を使って来店するような体制ではこれからの「新たな形態の銀行」には勝てなくなるので、個人向け融資はフルオンライン化します。個人向けのみなのは、個人向け融資は基本的に一回で完結し、企業向け融資のような定期的なモニタリングも最低限で済むためです。
2-3.企業向け融資は従来よりも厳しくなる
1-5で述べているようにこれからの企業向け融資は設備資金のみになります。低金利が後押ししているため現在は設備資金ニーズのある企業の多いのですが、設備資金は一度投資すると回収に10年~20年程度は必要となります。つまり、一度投資した企業はその設備資金に対して、何もなれけば10年以上借入ニーズがないことになります。つまり、その分だけ新規先が必要となります。また、設備投資はその資金性質上、どうしても多額になります。その分(新規開拓、多額の設備投資)銀行として管理コスト、リスクが高まります。その結果として、ここ数年の地方銀行有価証券報告書を見ると信用リスク管理に対する費用が伸びています。
3.筆者意見及び総括
3-1.筆者意見
2-1や2-2、2-3で見てきたように、これからの銀行は窓口が無くなり、ローン管理はフルオンライン化され、企業向け融資が従来のようにはいかなくなることから筆者はこれからの店舗型銀行の残されている道は特化型になることしかないと考えています。特化型とは、企業融資を専門に扱う店舗、保険販売を専門に扱う店舗、投資信託販売を専門に扱う店舗、個人ローンを専門に扱う店舗等で店舗を小分けするという考え方です。銀行同士の合併が更に進むことを前提に考えると、同じ営業エリアに店舗が複数あるという状態が生じることやFG化することで店舗に勤務する銀行員が減少すること、複雑化する各種商売モデルに対応するためという3つの問題を解決するためです。
3-2.総括
今回は筆者が勤務する中で日々考えていたことを一度文章におこしてみました。これからの銀行に関しては様々な見解や考え方が存在すると思料します。筆者としてもこの回答は現段階でのものであり、これからの市場動向にはより注視していくつもりです。そこでこの記事をご覧になっている方に後学のために皆さまの考えている「これからの銀行」について教えていただけると幸いです。